大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和26(あ)1560 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

被告人の上告趣意第一点について。

昭和二二年勅令第一号(公職に関する就職禁止等に関する勅令)にいわゆる覚書

該当者の指定手続に関しては、裁判所は裁判権を有しないこと当裁判所の判例の明

かに示すところ(昭和二三年(れ)第一八六二号昭和二四年六月一三日大法廷判決、

判例集三巻七号九七四頁以下)であるから、その覚書該当者指定手続の誤りであつ

たことを主張する論旨については、これを判断する限りでない。

同第二点について。

覚書該当者の政治上の活動は前記法令の禁ずるところであつて、たとい覚書該当

者指定手続に錯誤があり、またはその後その指定が解除きれても、一旦覚書該当者

として法禁を犯した事実に対しては処罰を免れないのである。裁判所は、被告人が

覚書該当者として指定せられた者であるにかかわらず政治上の活動をした事実を認

定し、法令に照して被名人を処断したものであるが、所論はこの裁判に何等か他意

あるものの如く邪推曲解し、憲法違反に名をかりて裁判を非難するものに外ならな

い。論旨は採るに足りない。

同第三点について。

記録に徴しても、被告人が裁判所によつて信条の故に不平等の取扱を受けたとい

う事実は、いささかも認められないから、論旨は理由がない。

なお記録を精査しても、刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて刑訴四〇八条に従い、裁判官全員一致の意見により主文のとおり判決する。

昭和二六年六月一二日

最高裁判所第三小法廷

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裁判長裁判官 長 谷 川 太 一 郎

裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

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